
沸騰冷却PCや液浸冷却PCをご自身で製作されているYouTuber「のすけ【自作PC】」様の最新動画にて、カネコ化学の製品が紹介されました!
のすけ様のチャンネルでは、以前より「サーモサイフォン」という方式を用いた沸騰冷却PCの製作過程が公開されていましたが、冷媒として使用していた3M™Novec™シリーズの生産終了に伴い、今後の運用や冷媒確保に悩まれていました。
そこで今回、弊社から「Novec™シリーズの代替品」としてHFE-7000シリーズをはじめ6種類の冷媒をご提供させていただき、比較実験を行っていただきました!
YouTubeチャンネル「のすけ【自作PC】」様にご協力いただき、カネコ化学が提供した沸点の異なる6種類の冷媒を用いた沸騰冷却PCの徹底検証結果を詳しくご紹介します。
普段は工業用として使われている弊社の製品が、自作PCというクリエイティブな世界でどのように活躍したのか。
非常に興味深い検証結果となっておりますので、ぜひ動画本編とあわせて、本記事の解説をご覧ください。
目次
【自作PC】ついに80℃の壁を突破!最強の「冷媒」を求めて6種類の液体をガチ比較
まずは実際に公開された動画をぜひご覧ください!
実験の様子や自作のオリジナル沸騰冷却PC、のすけ様の詳細な解説は必見です!!
沸騰冷却(サーモサイフォン)の仕組み

今回の自作PCで採用されている「沸騰冷却」はサーモサイフォンという方式でCPUを冷却しています。
動画内でも詳しく解説されていますが、この冷却方式はポンプを使わず、物理現象を利用して熱を移動させます。
- 液体が熱源(CPU)に触れて沸騰する
- その際、大量の熱エネルギー(蒸発潜熱)を奪いながら気体になる
- 軽くなった蒸気が上昇・移動し、ラジエーターで冷やされて再び液体に戻る
やかんでお湯を沸かすときのように、液体が気体に変わる時のエネルギー移動を利用するため、非常に効率よく熱を放出できるのが特徴です。
このシステムを成立させるために不可欠なのが、「不活性」であり、かつ使用環境に適した「低い沸点」を持つ冷媒(機能性液体)です。
検証に使用された冷媒

今回の検証では、2025年末に生産終了となる3M™ Novec™/フロリナート™シリーズの代替品をはじめ、カネコ化学が取り扱う以下の製品群を提供いたしました。
(HFE-7100 / 7200 / 7300)
ハイドロフルオロエーテル(HFE)を主成分としたフッ素系機能性液体です。
3M™Novec™シリーズの直接的な代替品として、洗浄用途や希釈・コーティング用途、冷媒用途等で広く利用されています。
オゾン破壊係数がゼロで地球温暖化係数(GWP)も低い環境配慮型の製品です。
(PF-135)
パーフルオロポリエーテル(PFPE)を主成分とした完全フッ素化液体です。
3M™フロリナート™シリーズの代替品として、化学的安定性が極めて高く、電気絶縁性に優れているため、信頼性試験や熱媒体、単層式液浸冷却などの用途でも広く利用されています。
(YY-1000 / YY-21)
今回の検証における「さらに低い沸点」での挙動を確認するために特別に提供した、カネコ化学の開発コード製品です。
それぞれ35℃ (YY-1000)と55℃ (YY-21)という、非常に低い沸点を持っています。
動画ではこれら沸点の異なる液体を順番に入れ替え、「実際のPC環境でどれくらい冷えるのか?」を検証しています。
【検証結果】沸点の違いが冷却性能に直結!
動画内ではCPUに「Ryzen 7 8700G」、室温20℃という環境下で10分間の高負荷テストを行い、CPU温度および消費電力の推移を検証しています。
まず比較の基準(ベースライン)として、これまで使用されていた Novec™ 7100(沸点61℃) での数値を計測。
10分後のCPU温度は 87℃、消費電力は約80Wをキープしていました。

この「87℃」を基準に、カネコ化学の冷媒を入れ替えてテストした結果がこちらです。
冷媒検証結果比較
| 製品名 | 沸点 | 10分後のCPU温度 | 検証結果 |
|---|---|---|---|
| YY-1000 開発品 | 35℃ | 79℃ | 80℃以下を達成!! |
| HFE-7100 | 59℃ | 86℃ | Novec7100と同等の性能 |
| HFE-7200 | 76℃ | 90℃ | 性能低下発生 |
| HFE-7300 | 101℃ | 90℃ | 冷却不足 |
| PF-135 | 135℃ | 90℃ | 冷却不足 |
※YY-1000は開発品であり、現在販売の予定はございません。
※製品名をクリックすると商品詳細ページへ移動します。
CPU温度推移のまとめ

消費電力推移のまとめ

結果の分析
その結果、テスト開始早々にCPU温度が上限の90℃に達し、故障を防ぐために性能を落とす「サーマルスロットリング」が発生。消費電力も低下するという結果になりました。
この結果から、「HFE-7100は、Novec 7100の代替品としてそのまま移行できる性能を持っている」ことが実証されました。
Ryzen 7 8700Gを80℃以下に抑え込んだのはこの冷媒だけであり、「沸点の低い冷媒ほど、冷却性能が高くなる」という傾向が明確になりました。
検証結果には含めませんでしたが、実はもう一つの開発品「YY-21(沸点55℃)」のテスト中に、予期せぬトラブルが発生しました。
動画内で紹介されていますが、YY-21を使用したところ、PCのパイピング(アクリル樹脂)が割れてしまうというアクシデントが発生。残念ながらテストは中止となりました。
フッ素系機能性液体は一般的にプラスチックへの攻撃性が低い(影響を与えにくい)性質を持っていますが、液体の種類や成分によっては、特定の樹脂を溶かしたりクラック(ひび割れ)を生じさせたりすることがあります。
「沸点が低いからOK」ではなく、使用する機材(パッキンや配管)との「材質適合性」を事前に確認することの重要性が、身をもって証明された実験となりました。
実際の実験映像と、のすけ様による詳細な分析・考察はぜひ動画本編でご覧ください!
YouTubeで動画本編を見るまとめ
今回公開されたのすけ様の検証動画により、沸騰冷却(サーモサイフォン)において「冷媒の選択」がいかに重要であるかが具体的なデータとともに明らかになりました。
特にHFE-7100はNovec™ 7100の代替品として、既存のシステムでも同等以上の冷却性能を発揮することが実証されました。
カネコ化学では、今回ご紹介したHFE-7000シリーズやPFシリーズ、さらには特殊な開発品に至るまで、お客様の課題や使用環境に合わせた最適な機能性液体をご提案いたします。
動画の最後では「春のアスクフェスまでに沸騰冷却PCを完成させる」と宣言されていました。
果たして理想のPCは完成するのか?今後の展開も見逃せません!
製品に関する詳細情報、ご質問、お見積りのご依頼等はお気軽に当オンラインストアまでお問い合わせください。
本日もご覧いただき、誠にありがとうございました!


