
製造プロセスや各種試験装置における精密な温度管理に欠かせない「チラー(温調装置)」。
その内部を循環させるフッ素系熱媒体(冷媒・ブライン)の調達でお困りではありませんか?
実のところ、多くのチラーメーカーは装置本体の販売を主としており、内部に入れるフッ素系液体の選定や手配は、ユーザー様自身で行わなければならないケースが多々あります。
さらに追い打ちをかけるように、これまで業界標準として使われてきた3M™社のNovec™やフロリナート™が2025年末をもって生産終了。
それに代わるソルベイ社のガルデン®も、代替需要の急激な集中により深刻な供給不足に陥っています。
チラーで使われる代表的なフッ素系液体の種類と採用しているメーカー、
そして入手困難な現状を打開する「代替品」について詳しく解説します。
この記事をお読みいただくことで、チラーで使用されるフッ素系液体の基礎知識と代替品の選び方がわかります。
さらに、チラーの運用でどうしても避けられない熱媒体の揮発に対し…「少しだけ補充したいのに、高額な大容量ドラムやペール缶でしか買えない」というお悩みを解決する、1kgからの無駄のない少量調達方法もあわせてご紹介します。
長年使い慣れた熱媒体の入手難は大きな課題ですが、本記事が代替品探しのヒントとなり、今後の安定的な装置運用と無駄のないコスト管理を実現する手助けとなれば幸いです。
供給量の限られているガルデン® HT-135の互換品に!
アサヒクリンAC-6000の代替にもご検討いただけます。
主成分: パーフルオロポリエーテル
引火点: なし
沸点: 約135℃
供給量の限られているガルデン® HT-170の互換品に!
主成分: パーフルオロポリエーテル
引火点: なし
沸点: 約170℃
目次
チラーで使われている代表的なフッ素系液体

まずはこれまでチラーの熱媒体(クーラント・ブライン)として業界の主流を担ってきた、代表的な3つのフッ素系液体についておさらいしましょう。
フロリナート™ (PFC:パーフルオロカーボン)
3M™社が製造していた、高い化学的安定性と電気絶縁性を持つフッ素系不活性液体です。長年にわたり半導体製造装置のチラー循環液として活躍してきましたが、2025年末をもって生産終了となりました。
Novec™ (HFE:ハイドロフルオロエーテル)
地球温暖化係数(GWP)を抑えた環境配慮型のフッ素系溶剤として、同じく3M™社から展開されていました。しかし、こちらもフロリナート™と同様に2025年末で生産終了となっており、ユーザーは早急な代替品の確保を迫られています。
ガルデン® (PFPE:パーフルオロポリエーテル)
ソルベイ社が製造する完全フッ素化液体で、極低温から高温まで幅広い温度範囲で液状を維持できるのが特徴です。非常に優れた性能を持ちますが、3M™社製品の生産終了に伴い代替需要が集中した結果、世界的に生産が追いつかず、現在は安定的な入手が極めて困難な状況が続いています。
フッ素系液体の使用を表記している代表的なチラーメーカー様

チラーメーカー各社も、前述のフッ素系液体を循環液として使用できる装置を展開しています。
インターネット上でフッ素系液体の使用を表記しているチラーメーカー様の代表4社をピックアップしました。
もし各メーカー様のチラーをお使いで、「装置はあるのに、中に入れる液だけが手に入らない!」とお悩みの場合は、後述する代替品への切り替えが有効な選択肢となります。
SMC株式会社
循環液温調装置(サーモチラー)の製品群において、「HRZシリーズ」や「HRWシリーズ」などに明確に「フッ素化液タイプ」という仕様区分を設けて販売しています。
伸和コントロールズ株式会社
チラー(温調装置)の製品仕様欄にて、対応可能な冷却液(ブライン)として「FC-40、HT-135、Novec7200」といった具体的な品番を公式に明記しています。
東京理化器械株式会社 (EYELA)
冷却水循環装置(チラー)の総合カタログや安全ガイドラインにて、使用できる熱媒体として「フロリナート、ガルデンなどのフッ素系ブライン」と具体的なブランド名を挙げて記載しています。
東京フィルター販売株式会社 (三栄機器事業部)
特殊冷却水循環装置の「超低温冷却ブライン循環装置」の説明において、「エチレングリコール、ガルデン、ノベック等を使用し…」と明記しており、フッ素系液体を使用したカスタム対応を謳っています。
※本記事で紹介している各メーカー様および製品情報は一例であり、提携関係や推奨関係を示すものではありません。機器の仕様詳細については、必ず各メーカー様にご確認ください。
※後述する弊社の代替品は、弊社が独自に成分や物性を適合させてご提案するものであり、チラーメーカー様に公式に認定・推奨されたものではない点にご注意ください。本格導入の前には、必ずお客様ご自身での確認試験をお願いいたします。
安定調達をサポートする、カネコ化学の「代替品」ラインナップ

フッ素系液体(熱媒体・冷媒・ブライン)の生産終了や供給不足といった課題に対し、弊社では既存のチラー設備やテストプロセスへスムーズに移行できる、高品質な代替製品をご提供しています。
フロリナート™・ガルデン®対応「PFシリーズ」
PFシリーズは、極めて高い化学的安定性と電気絶縁性を持つPFPE(パーフルオロポリエーテル)を主成分とする完全フッ素化液体です。
| 製品名 | 対象 | 沸点 | 比重 (25℃) |
動粘度 (cSt) |
詳細 |
|---|---|---|---|---|---|
| PF-55 | フロリナート™ FC-72 ガルデン® HT-55 |
約55℃ | 1.65 | 0.45 | 製品ページへ |
| PF-135 | フロリナート™ FC-3283 ガルデン® HT-135 |
約135℃ | 1.72 | 1.00 | 製品ページへ |
| PF-170 | フロリナート™ FC-40 ガルデン® HT-170 |
約170℃ | 1.77 | 1.71 | 製品ページへ |
Novec™シリーズ対応「HFE-7000シリーズ」
HFE-7000シリーズは、3M™社のNovec™シリーズと同一の化学物質を主成分とするフッ素系溶剤です。
環境への負荷(GWP)を抑えつつ、既存のプロセス設定のままスムーズな置き換えが可能です。
| 製品名 | 対象 | 沸点 | 比重 (25℃) |
動粘度 (cSt) |
詳細 |
|---|---|---|---|---|---|
| HFE-7100 | Novec™ 7100 | 約59℃ | 1.51 | 0.51 | 製品ページへ |
| HFE-7200 | Novec™ 7200 | 約76℃ | 1.43 | 0.51 | 製品ページへ |
| HFE-7300 | Novec™ 7300 | 約101℃ | 1.66 | 0.70 | 製品ページへ |
揮発消耗の「継ぎ足し」に最適!1kg・5kgの少量供給

チラーの運用において、どうしても避けられないのがフッ素系液体の揮発による目減りです。

ほんの数リットル補充したいだけなのに、大容量のペール缶やドラム缶でしか購入できない…
という現場の切実な声は多く耳にします。
そんなご要望にお応えするため、弊社では継ぎ足し補充に最適な1kg・5kgサイズの少量提供をおこなっております。
高価なフッ素系液体の「定期的な継ぎ足し用途」はもちろん、「まずは少量を実機に投入して、既存液との相性や性能をテストしたい」という研究開発・評価フェーズにも最適です。
必要な時に、必要な分だけをご手配いただくことでお客様の調達コスト削減と廃棄ロス防止に直結します。
是非お役立てください。
供給量の限られているガルデン® HT-135の互換品に!
アサヒクリンAC-6000の代替にもご検討いただけます。
主成分: パーフルオロポリエーテル
引火点: なし
沸点: 約135℃
供給量の限られているガルデン® HT-170の互換品に!
主成分: パーフルオロポリエーテル
引火点: なし
沸点: 約170℃
まとめ:チラー用フッ素系液体の安定運用と、代替品へのスムーズな移行に向けて
本記事では、半導体製造装置などの精密な温度管理(チラー)に欠かせない「フッ素系液体(熱媒体・冷媒・ブライン)」の現状と、その具体的な解決策について解説しました。
改めて、重要なポイントを振り返ります。
3M製品の生産終了と供給難
3M社の「フロリナート™」「Novec™」が2025年末をもって生産終了した影響で、ソルベイ社の「ガルデン®」を含め、チラー用フッ素系液体の世界的な供給不足が深刻化しています。
早急な代替品の確保が不可欠
既存の温調装置を今後も安定して稼働させるためには、温調プロセスを止めずに移行できる「代替品」への切り替えが急がれています。
カネコ化学の高品質な解決策
弊社では、既存液と同等の熱媒体特性・電気絶縁性を持つ完全フッ素化液体「PFシリーズ(PFPE)」や、環境配慮型溶剤「HFE-7000シリーズ(HFE)」など、スムーズに置き換え可能な製品を幅広くラインナップしています。
無駄をなくす「1kg/5kgサイズの少量供給」
チラー運用で避けられない揮発消耗による「定期的な継ぎ足し」や、導入前の「実機テスト」に最適な少量販売に完全対応。不要な在庫リスクと調達コストを大幅に削減します。

現在使用中のチラーにどの製品が適合するかわからない…

昔の担当が液を選定したため、どう代替品を選定したらよいか分からない…
まずはご相談からでも大歓迎です!
カネコ化学では、豊富な専門知識を持ったスタッフがお客様の現場の課題に寄り添い、最適な代替プランをご提案いたします。
代替品に関するご相談や、お見積りのご依頼はぜひお気軽に弊社お問い合わせ窓口までご連絡ください。
本記事がお客様にとって最適なチラー循環液の一助となれば幸いです。
本日もご覧いただき、誠にありがとうございました!
ご採用の前に必ずご確認ください 本製品をご採用いただく前には、必ずお客様の責任において実際の使用条件(装置、プロセス、温度など)での適合性評価を実施してください。特に、性能・安全性・各種部材との適合性(金属腐食、樹脂・ゴムへの影響など)に問題がないことを十分にご確認いただけますよう、お願い申し上げます。



