
「硬化したシリコーン樹脂やナイロンが除去できない…」そんなお悩みありませんか?

硬化してこびり付いたシリコーン樹脂が、どうしても綺麗に取れない…

装置に付着した頑固なナイロン(ポリアミド)樹脂を、部品を傷つけずに除去したい…

手作業での樹脂除去は時間がかかり、生産性が上がらない…

安全性の観点から、塩素系溶剤や有機則・特化則に該当しないものを探している…
ものづくりの現場で、このような樹脂に関するお悩みは尽きないかと思います。
特に一度硬化してしまったシリコーンやナイロン樹脂は非常に強固で、物理的に剥がそうとすると、大切な製品や高価な金型を傷つけてしまうリスクが伴います。
そんな現場のお悩みを解決するのが、カネコ化学の樹脂溶解剤「eソルブ21シリーズ」です。
数あるラインナップの中から、特にシリコーン・ナイロン・POM樹脂の溶解で実績のある
「eソルブ21RS」「eソルブ21RZ」「eソルブ21RC-1」の3製品を徹底的に比較・解説します。
スタンダードなシリコーン・ポリアミド樹脂溶解剤(臭素系、非危険物タイプ)
主成分: 1-ブロモプロパンと有機酸
引火点: なし
沸点: 71℃以上
シリコーン・ポリアミドへのさらなるアプローチに(炭化水素系、危険物タイプ)
主成分: 炭化水素系溶剤と有機酸
引火点: あり (第二石油類非水溶性液体)
目次
シリコーン・ナイロン溶解剤3製品の比較
カネコ化学では、シリコーン・ナイロン(ポリアミド)・POM(ポリアセタール)樹脂向けに、主に以下の3つの製品をご用意しております。それぞれに得意なことや法令上の扱いが異なります。
これら3つの違いを明確にするため、以下の比較表にまとめました。
溶解したい樹脂や作業環境に合わせて、最適な製品をお選びください。
項目 | eソルブ21RS | eソルブ21RZ | eソルブ21RC-1 |
---|---|---|---|
主成分 | 1-ブロモプロパン、有機酸 | フッ素系溶剤、有機酸 | 炭化水素系溶剤、有機酸 |
引火点 | なし | なし | 約50℃ |
消防法 | 非該当 | 非該当 | 該当 (第4類 第二石油類) |
専用リンス剤 | eクリーン21RSN | eクリーン21RZN | eクリーン21RSN |
こんなお客様に | まず試したい方、 汎用性を求める方 |
変性シリコーンを溶かしたい より強力な溶解力をお求めの方へ |
RS/RZで効果が薄い と感じる方 |
製品ページ | 詳細・購入はこちら | 詳細・購入はこちら | 詳細・購入はこちら |
eソルブ21RSの溶解性能
スタンダードなeソルブ21RSで、実際にシリコーンおよびナイロン樹脂が溶解していく様子をご覧ください。
シリコーン樹脂溶解の様子



ナイロン66溶解の様子



実際の効果を動画で見る
【実験動画】シリコーン樹脂崩壊の様子
本製品の使い方

使い方は非常にシンプルです。
物理的に削るのではなく、基本的な使い方は「浸漬(つける)」だけです。
【基本】常温浸漬
溶解したい部材を、溶解剤で満たした容器に浸漬してください。基本は常温でのご使用となります。
【応用】加温(eソルブ21RSのみ)
溶解スピードを早めたい、より効果を高めたい場合、eソルブ21RSに限り、60℃を上限として加温が可能です。
加温する場合には、火気厳禁。化学試験用ホットプレート等をご使用ください。
※eソルブ21RZおよびRC-1は加熱を推奨しておりません。
※eソルブ21RC-1は消防法該当品のため、特に火気にご注意ください。
【必要に応じて…】仕上げ洗い
溶解剤に浸漬させた部品などを取り出したい・再利用したい際などは専用リンス剤にてすすぎ洗いをしてください。
ご採用の前に必ずご確認ください
本製品は酸性の溶解剤になっております。
そのため対象物(金属、他の樹脂)によっては、腐食・変色・膨潤などのダメージを与える可能性があります。
また、対象の樹脂はその種類(グレード)、硬化剤の配合、添加剤(ガラス繊維など)、成形・硬化条件などによって、非常に多くの材質が存在します。
完全に溶解する場合もあれば、膨潤・軟化にとどまる場合、そして、とりわけ強固な材質のもの(ガラス繊維を高充填したグレードなど)には十分な効果が得られない場合もございます。
ご採用を検討される際には、必ず事前に、実際にお使いの樹脂やその他材質に対してどのような影響があるかをテストしていただくよう、お願いいたします。
プロの現場における活用例

お悩み:
シリコーンで封止された不良基板、中身を壊さずに解析したい…
解決策:
封止剤やポッティング材を選択的に溶解。基板や部品を傷つけずに、故障解析や修理を可能にします。
お悩み:
液状シリコーン用のディスペンサーやロールに付着・硬化した材料をどうにかしたい…
解決策:
製造装置に固着したシリコーンを溶解・除去。ノズルの詰まりや不良品の発生を防ぎ、歩留まり向上に貢献します。
お悩み:
POMやナイロン製の精密な嵌合部品を、破壊せずに分解したい…
解決策:
素材へのダメージを最小限に抑えながら樹脂を溶解。非破壊での評価や、設計変更のサイクルを加速させます。
仕上げのために:専用リンス剤のご案内
なぜリンス剤が必要か?
eソルブ21RS/RZ/RC-1には、不揮発性成分が含まれています。
この成分は自然に蒸発・乾燥しないため、洗浄せずに放置すると部品の表面に残ってしまうことがあります。
専用リンス剤は、この不揮発性成分や、剥離した樹脂の細かな残渣(ざんさ)を効果的に洗い流し、部品をクリーンな状態に仕上げるために使用します。
推奨される洗浄手順
予備洗浄(かけ流し)
溶解剤の槽から取り出した部品を、まずはリンス剤でかけ流すように洗い、表面に付着した大まかな溶解剤や汚れを流します。
本洗浄(浸漬)
次に、新品のリンス剤を入れた容器に部品を浸し、軽く揺すりながら洗浄(浸漬揺動洗浄)してください。これにより、細部に残った成分までしっかりと除去できます。
※溶解剤が混入した古いリンス剤を使い続けると、洗浄効果が低下しますので、本洗浄には必ず新品のリンス剤をご使用ください。
乾燥
洗浄後の部品は、有機ドラフトや局所排気装置のある、必ず換気の十分された環境で自然乾燥させてください。
まとめ:最適な溶解剤を選び、課題を解決!
今回は、これまで除去が難しかった硬化シリコーン・ナイロン・POM樹脂を、化学の力で解決する3つの溶解剤をご紹介しました。
どの製品を選べば良いか迷った際の、簡単な指針は以下の通りです。
臭素系
引火点: なし
幅広い樹脂に対応するため、「まずは試したい」「色々な用途に使いたい」という場合に最適です。
フッ素系
引火点: なし
変性シリコーンの溶解や、より強力な溶解力をお求めの場合にご検討ください。
炭化水素系
引火点: あり
RSやRZとは異なる炭化水素系の溶解剤です。「他のタイプでは効果が薄かった」という場合の、次の一手として有効です。
長年の実績が裏付けるこの溶解力を、ぜひ貴社の課題解決にお役立てください。
ただし、本文でも触れたように、樹脂の材質や使用されている金属によって効果・影響は異なります。
まずは少量からご購入いただき、お客様の環境で効果をお確かめいただくことをお勧めします。
製品に関する詳細情報、ご質問、お見積りのご依頼等はお気軽に当オンラインストアまでお問い合わせください。
本日もご覧いただき、誠にありがとうございました!